夢を見ました。

どんな夢かと言いますと・・・






ある休日、ワタシは旅行に行くことにしたのです。

海に浮かぶちっちゃい島にある、お屋敷に。

古い古いお屋敷でしたが、

欧風で格調高く、

とてもステキなお屋敷でした。

そこのお屋敷は、

亡きお屋敷のご主人の遺志で、

ペンションのようになっていました。

ワタシはそのペンションに泊まる南の島ツアーに参加したのです。

ご飯なんかも自分たちで作らなきゃいけないようなツアーでしたが、

新たな出会いに期待し、

キャンプのような生活をイメージして、

参加したのです。



そのお屋敷に着くと、6人の男女がいました。

2人の男性と、4人の女性です。

ワタシたちはすぐに打ち解け、楽しい時間を過ごしました。

そうしているうちに、

2人いた男性のうちの一人が何かを見つけました。

それは一枚の紙でした。

そして、その紙を見た彼の表情の変化にワタシたちは気付きました。

彼に駆け寄り、紙を覗き込む6人。

その6人の表情もみるみるうちに変わってゆきました。

紙には、

このお屋敷の亡き主人が隠した宝物があるということと、

お屋敷の見取り図が書いてありました。

この紙を見つけた彼は言いました。

「やった・・・!とうとう手がかりをてにいれた・・・!!」

ワタシは知らなかったのですが、

このお屋敷に宝物が眠っているという話は、

一部ではとても有名な話だということでした。

ワタシ以外の6人は、実はこのお屋敷に宝探しに来たのでした。



宝探しが始まりました。

ワタシはあちこち歩きながら、

皆が宝探しに興じるのを見ていました。

ワタシが傍観者であったのは、

宝物に興味がなかったからではありません。

宝探しに勤しむ6人の表情が、

まるで何かに取り憑かれたようで、ついて行けなかったのです。

そのときです。

お屋敷中に悲鳴が響きわたりました。

ワタシや皆が駆けつけると、

5人の女性のうちの一人が泣きながら座り込んでいました。

彼女の向こうにいたのは、

血まみれで倒れている地図を見つけた彼でした。

彼が死んでいるのは一目瞭然でした



ワタシたちは広間に集まり、

啜り泣きが聞こえる中、

無言で長い間過ごしました。

夜も更けた頃でした。

女性の一人が声をあげて狂ったように泣き出しました。

彼女は深田恭子なみに目の大きな可愛い娘だったので、

ワタシは、

「可愛い娘が泣いているのは放っておけないな。」

と、思い、

彼女のそばへ行き、

「皆でいればだいじょうぶだから」

と、彼女の背中をなで、なだめようとしました。

すると彼女はワタシを見据え、尋ねました。

「なんで、あの人が殺されたと思う?」

その目の鋭さに圧倒され、

ワタシが何も言えずにいると、

彼女は言いました。

「宝物を独り占めするために決まってるじゃない。」

その言葉を聞いても、

ワタシは何も言えませんでした。

ワタシはその宝物が何かも知らないままでしたし、

執着もないので、

呆然と彼女を見ていました。

「だったら、ここに皆で集まっているのはとっても好都合だと思わない?!」

すると彼女はいきなり立ち上がりました。

その手に握られていたのは小型の斧でした。

ワタシの視界の中で、斧を振りかざす彼女。

次の瞬間、

斧はワタシの頭めがけて振り下ろされて・・・。

後頭部に衝撃が走って、

ワタシは床に倒れこみました。

後頭部に手を這わせ、

その手を見ると、

手の平の生命線も見えないほど血にまみれていました。

少し顔を上げ、

辺りを見回すと、わなわなと震える8本の足。

ワタシが殺されているのを、呆然と見ている4人・・・。

また、背中に衝撃が走りました。

足にも。

仰ぎ見れば般若のような彼女の顔。

衝撃は続く・・・

何度も、

何度も、

何度も

・・・

・・・

・・・



小さな揺れが程よく心地よくて、

頭から背中に伝うぬくもりも心地よくて・・・。



気がつくと隣にワタシを殺した彼女がいました。

ワタシの頭から背中に伝うぬくもりは彼女の手で、

彼女は優しく微笑みながら、

だけどどこか悲しそうな表情を浮かべて、

ワタシを撫でているのでした。

ワタシがぼぅっとしたまま体を起こすと、

そこは大きな川に浮かぶ小船の上で、

そこには、最初に殺された彼と、

ワタシとワタシを殺した彼女を含めた5人の女性がいました。

ワタシと彼女の前に座る4人は、ただ、水面を見つめています。

ワタシは、彼女は残った一人の男性に殺されたのだと悟りました。

彼が生き延びたことも。

小船には船頭の姿はなく、

川の先は靄が立ち込めていて見えません。

ワタシたちを慰めるように、

あちこちにホタルのような小さな灯りが飛び交っていました。

ひどく幻想的な風景の中、

彼女は言いました。

「こんなはずじゃなかったのにね」

ワタシは静かにうなずきました。

「ただ、ちっちゃい子みたいに冒険心で宝探しをしてたのに・・・。
なんでこんなことになっちゃったんだろう・・・。」

彼女はやわらかく微笑みながら、涙を流しました。

小船は頼りなく、

大きな川に流されてゆきました。







と、まぁ、ざっとこんな夢でした。

三途の川下りは初体験です。

きっとホタルみたいなのは、鬼火か人魂なんでしょうね。

どっかで聞いたような話で、

なおかつ出来の悪いミステリー調で、

さらにワタシは惨殺されるわけですが、

不思議と後味は悪くなかったです。

なんかちょっと納得してしまいました。

ワタシは、

「今死んだら、絶対に未練が残る!
絶対成仏なんかできない!!」

と、思っていたのですが、

案外、

死んでしまったらあっさり成仏してしまうんじゃないかと思いました。

まだまだ生きる気なのになぁ・・・。






人間てこんなものなのかな・・・?




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