ワタシという人間には、選べるものと選べないものがあって。 それはとても残念なことだけど、嘆いていても仕方ないので、そこで立ち止まってはいけないと思っている。 劇団5本指ソックスが解散した、らしい。 2010年の終わりに、突然劇団員から告げられた。 この4年間携わってきた間には空中分解もあったから、もしやまた戻ったりするのか?なんて思ったりもするのだが、そういうことなんだそうだ。 この劇団の終わりは、ワタシの演劇活動の終わりを意味する。 そもそも高校の部活を引退した時点で終わりになるかもしれなかったのだ。 ここまで引き延ばせたことには、ただただ感謝するばかりである。 多分ずっと続けて行くことはできないな、とわかってはいたので、「これが最後になってもいいように」と思いつつ、公演に携わってきた。 けど、正直もうしばらく続けられる気がしていたので、ここで終わりというのは驚いたし、寂しい。 今まで充分親兄弟には心配をかけてきた。 心配をかけるのなら、かけるなりのルールが必要である。 だからワタシはそこそこ安定した生き方をすべきだと思うし、演劇を優先順位の上位には持ってこられない。 演劇に携わりたいなら、それが可能な場所を探せばいいのだろうけれど、もうそれをするほど若くもない。 やはり、いったん終わりなのである。 演劇と劇団5本指ソックスにどれだけ救われただろう。 周りには演劇がきっかけで出会った方達だらけだし、いろんな音楽を聞くようになったのは高校の演劇部で音響担当だったからだし。 こういう出会いがあったワタシと言う人間は、類まれな幸せ者だと思う。 そして、今心が折れていないのは、「古典」と出会ったお陰である。 演劇とさよならするために生きがいを探しておいて、本当に良かった。 そうでなければ、今頃抜け殻のようになっていただろう。 やっぱり人が充実して生きるのには、生きがいが必要だと思う。 ワタシには生きがいがあるから、演劇から離れても生きていける。 それに、当分演劇の公演に携わらなくても、観劇という楽しみはこの先ずっとワタシのものである。 嘆くことはないのだ。 寂しいけど。 寂しいけど。 来年は古典の勉強をする。 今よりもっとする。 ずっと古典と付き合っていくために。 どうか、古典が生きがいとなってくれますように。 (2010.12.30) |
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